こんにちは!
全脳英語メソッド 左脳担当のタナベです。
これまで、左脳の記事では、主に英文法に関するコラムを執筆してきました。
英文法と言っても、かつての学校で学んだような、いわゆる「学校英語」ではなく、使える英語力を身につけられる、コミュニケーション重視の英文法です!
例えば、will と be going to の違いなどは、知っておくと、英語を話す時はもちろん、聴く時にも役立ちます。まだご覧になっていない方は、ぜひ読んでみてくださいね^^
さて、今日のテーマは「aとtheの違い」です! 英語を学んだことがある方はもちろん、未経験の方でも、なんとなく、その違いが気になっているものと思います。
あなたは、次のように感じたことはないでしょうか?
- 英語には a と the がよく出てくるけれど、使い分けがいまいちよくわからない…
- どんな時に a をつけるのか… また、どんな時に the をつけるのか、区別がつかない…
- a と the を間違えることなく、正しく使い分けられるようになりたい!
a と the のような区別は日本語にはないので、私たちにとって、直感的に理解しにくいものです。原理を知らないと、いつまでも間違えてしまうのが、a と the の怖いところです…
そこでこの記事では、a と the の使い分けについて、基本的な3つの原理をお話していきます。これだけ知れば、a と the の区別で迷うことは、ほとんどなくなるでしょう。
記事の終わりにはクイズも用意したので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
それでははじめていきましょう!
そもそも a と the って何!?
まず、「そもそも a とか the ってなんだったっけ…?」という方もいらっしゃると思うので、簡単におさらいしていきましょう。
a および the は、英語では冠詞と呼ばれます。冠詞とは、名詞(= ヒト・モノ・コトをあらわす語)の前に置くことで、その名詞の性質を説明する役割を持ちます。
例を見てみましょう。今ここに、book(本)という名詞があるとします。日本語では、普通に「本」と言えばいいので、特別な何かをする必要はありません。
しかし、英語の世界では、「本と言っても、それは1つの本なのか、それとも複数の本なのか。また、世の中にあふれる一般的な本なのか、それとも話し手と聞き手の間で話題になった特定の本なのか」ということを、いちいち区別しなければなりません。
「1つ」をあらわす際に使う語が a です。これは不定冠詞とも呼ばれ、「不特定の1つ」をあらわします。よって、「1冊の本」であれば、
- a book(<1冊の> 本)
と言います。
複数の本をあらわす場合、a は使わず、代わりに名詞の語尾に -s または -es をつけます。これにより、「複数冊の本」ということがわかります。
- books(<複数冊の> 本)
名詞の冒頭の音が母音の場合、a の代わりに an を使います。例えば、apple(りんご)は an apple のように言います。
これまでの a/an の用法は、すべて、名詞が不特定の場合のことでした。しかし、「私は本を買った。その本は1,000円だった」のように、話し手と聞き手の間で、「あの本のことね!」と特定できる場合もあります。
このように、名詞を特定する場合、a/an の代わりに the をつけます。
- the book(その本)
少し厄介なのですが、the は「1つ <単数> 」だけでなく、「2つ以上 <複数> 」の場合にも使えます。よって、「特定の複数の本」という場合も、the を使用できます。
- the books(その <複数の>本)
厳密に言うと、名詞には数えられる名詞と数えられない名詞があり、数えられない名詞の場合は a/an がつかない… といった別事情があるのですが、そこまで深追いすると厄介なので、とりあえずはここで止めておきましょう。
まず、以上のように「1つかつ不特定は a/an」、「特定できる場合はthe」と考えておけば、基本的なところでは大丈夫です。
a と the を区別する3つの方法
これまで述べてきた原則がわかれば、既に、半分以上の場面にて、aとtheの使い分けができるはずです。
ただ、いくつか、私たち学習者が間違いやすい箇所があります。a と the をより正確に区別する、3つの基準を紹介します!
法則1: 話し手と聞き手が相互に特定できるか
次の例文を見てみましょう。
- I bought a book. (私は本を買いました)
話し手は1冊の本を買ったと述べています。
ここで、先程紹介した「特定できるか」という点に照らし合わせると、少々、困ったことが発生します。
というのも、話し手からすれば、本を買ったのは自分ですから、それが何の本なのか、特定できます。しかし、聞き手からすれば、話し手から追加の説明がない限り、何の本なのか特定することはできません。
このように、「話し手と聞き手の片方だけが特定できる」といった場面では、特定度合いは完璧ではないので、不定冠詞a/an を使います。
よって、先ほどの文を
- I bought the book. (私はその本を買いました)
と言うと、聞き手にとっては、「えーと、どの本でしたっけ…?」という話になってしまうわけですね。
話し手と聞き手が相互に特定できる時のみ、the を使うようにしましょう。
法則2: 状況や場面から特定できるかどうか
その名詞がまだ話題にあがっていなくとも、状況や場面から特定できる場合、the をつけます。
次の例文を見てみましょう。
- Can you close the window? (窓を閉めてもらえますか)
話し手は聞き手に、窓を閉めるように頼んでいます。
theを使っているので、「その窓」というニュアンスがあります。ただし、「窓が〇〇だったんです」→「例の窓ですね」のような会話が事前に起こっていなくても、唐突に上の例文を発することはできます。
なぜなら、通常の会話において、「窓を閉めて」と言われれば、その部屋の中にある、近くの窓ということは、話し手にも聞き手にも特定できるはずだからです。
(この発言を聞いて、ホームセンターに向かっていき、展示されている商品の窓を閉める人はいないでしょう。)
このように、状況や場面から特定できる場合、the を使います。
法則3: 前置詞などによって限定される場合
最後に、少しだけ難しいのですが、私たちが間違いやすい例を見てみます。
- The letter on the desk is for you. (机の上の手紙はあなたのものです)
「机の上の手紙はあなたのものです」と述べられています。
机(the desk)は、おそらく話し手と聞き手の両方の目の前にあるので、法則2の「状況や場面から特定できるか」によって、the がつけられます。
問題は1つ目の the です。letter(手紙)に a と the のどちらをつけるのか、大いに迷うところでしょう。
結論的に言うと、これは the をつけます。なぜなら、手紙は世界に何億、何十億通と存在しますが、ここではその机の上にある「<特定の> 手紙」ということで、他とは区別されるからです。
もし、ここで A letter of the desk というと、「机の上には複数枚の手紙があり、その中で任意の1枚」という解釈に変わります。
ただし、それであれば
- You can take one of the letters on my desk.(机の上の手紙を1枚持っていっていいよ)
のような、別の言い方のほうが伝わりやすいため、やはり The letter on the desk is for you. (机の上の手紙はあなたのものです) というほうが、自然な気がします。
このように、ケースバイケースなのが悩ましいのですが、A of B のような場合、A には定冠詞つきの名詞がつくことが、経験上、多い気がします。悩んだら辞書等で例文を見て、判断すると良いでしょう。
a と the の使い分けクイズに挑戦しよう!
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
最後に a と the の使い分けクイズを用意しました。選択肢のうち、適切なものを選んでみてください!
Q1.
Susan bought ___ new shirt.
(スーザンは新しいシャツを買った)
- A. a
- B. the
ヒント: 話し手と聞き手が相互に特定できるか
Q2.
James is in ___ kitchen.
(ジェームズは台所にいる)
- A. a
- B. the
ヒント: 状況や場面から特定できるかどうか
Q3.
He’s ___ president of the company.
(彼はその会社の社長です)
- A. a
- B. the
ヒント: 前置詞などによって限定されるかどうか
答えがわかったら、コメント欄に書いてみてくださいね!
それでは!
コメント一覧
面白そうなのでやってみました
1 A
2 B
3 B
全問正解です!
素晴らしいですね⭐️
今後の記事でもクイズを出していきますので、ぜひやってみてくださいね^^
1.A 聞いた相手の人はわからないから
2.B 彼がいるキッチンなので、特定🉑
3.B その会社の社長は1人なので、特定🉑
全問正解です!
根拠も書いていただいて素晴らしいと思います👍
1.A a
2.B the
3.A a
田邊先生ありがとうございました。
なんとなくわかっていたつもりではありましたが、
相互で理解するという事が自分の中でしっくりときた表現でした。
1 A
2 B
3 B
こちらこそありがとうございます!
設問はすべて合っていますよ👌
田邊先生「a」と「the」の使い方の説明ありがとうございました。
先日、リハーサルwritingの添削で、theが抜けていて、指摘を受けたところでした。
timelyに先生のlessonを受ける事が出来、わかりやすく説明していただき、助かりました。ありがとうございました。
Q1 A
Q2 B
Q3 B
英文を作るトレーニングでは、回答をコメントに書いた上で、すぐに送信してしまい、後で冠詞を間違えた!と反省することがよくあります。
全問正解です!
そうなんです、冠詞は難しいですよね😓
1 A
2 B
3 B
正解です!
よくできています⭐️
分かっていたつもりでしたが、改めてよく理解出来ました。